『夏の建具替(たてぐが)え』 (京都の休日751)汗ばむ季節を迎え、蒸し暑い梅雨を前に
衣替(ころもがえ)をと
設(しつら)えを夏向きに整える。
季節の変わり目に行う
「衣服の衣替え」はよく聞きますが
京町家では
「住まいの衣替え」つまり
「建具替(たてぐが)え」が行われます。
鎌倉時代、
「徒然草」で兼好法師は次のように記しています。
「家のつくりようは、夏をむねとすべし」つまり冷暖房の発達していなかった時代
冬の寒さは重ね着をして耐えしのぐことができても
夏のジメジメとした蒸し暑さはどうしようもありませんでした。
そこで、夏をいかに涼しく快適に過ごすかに重きを置いて
京都人は住む家に様々な工夫を凝らしてきました。
その集大成が京町家であり、建具替えです。
そこには五感をフルに活用して涼しさを感じ取ろうとする
京都人の智慧にあふれています。
ふすまを簾戸(すど)に、
障子を御簾(みす:座敷簾)に
畳に
籐の網代(あじろ)や
籐筵(とうむしろ)布は麻へと替えます。
日本家屋は夏の趣が一入(ひとしお)で
衣替(ころもがえ:建具替え)をすると
涼しさが家内を透明な空気で満たしてくれます。
内と外とが同化し、外との触れ合いが濃密になる故でしょう。
その習慣、つまり殊更(ことさら)に暑い夏を過ごしやすくする為の事も
空調の普及した今では無用の筈ですが
視覚による涼しさは、近代設備だけでは代えられないものがあります。
どこからともなく冷たい冷房の風が
網代(あじろ)の上を撫でて流れるように通る・・・・・
ひやっとした心地良さは、佇(たたず)まいの涼しさに
現代の技術を併用した此の上もない贅沢であると感じます。
京町家での生活は、大変に手間のかかることですが
日ごとに移り行く季節を五感で感じ取ることができる
素晴らしさがあるように思います。
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テーマ:日々の暮らし - ジャンル:ライフ
- 2022/06/04(土) 07:00:00|
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