わたせせいぞう 画
『秋の七草』 (京都の休日757)高く澄み渡る青空、吹く風に漂う
金木犀(キンモクセイ)の香り
秋の深まりを感じるこのごろ
京都の街では今、そこかしこを歩いても
金木犀(キンモクセイ)の香りが漂い誘惑してきます。
「木の間より漏りくる月の影見れば 心づくしの秋はきにけり」 - 古今集184番・題しらず・よみ人知らず
(このまよりもりくるつきのかげみればこころづくしのあきはきにけり)
(意訳)木の間から漏れてくる月の光を見て思った。「今年もまた、もの思いに気をもむ秋がやってきたのだ」 と心づくし…心の全てを奪われてしまうのです。秋の前では
「心づくし」は、現在では「心尽くしの贈りもの」など、
“相手のためを思って気を配る”・・・の意味となっていますが、
古語では“
あれこれ悩む、さまざまに物を思う、気をもませる”・・・という意味だったのです。
秋は人に、もの思いをさせる季節なんですよねぇ~・・・・・
桜一辺倒の春とは違い、秋は心奪う景物が沢山あります。
紅葉に染まる木々のようにとりどりに。
秋に代表的なものが月、そして鮮やかな紅葉。
さらに松虫や蜩など虫の音に雁や鹿といった動物たち。
そしてなんといっても、秋といば美しい草花
「秋の七草」万葉の時代に山上憶良が歌に詠んで以来、秋の代表的な草花になりました。
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『秋の七草』の季節ですね。
では
『秋の七草』って・・・??
・萩(はぎ)
・尾花(おばな:薄(すすき)のこと)
・葛(くず)
・女郎花(おみなえし)
・藤袴(ふじばかま)
・桔梗(ききょう)
・撫子(瞿麦:なでしこ) ・・・の七種の野草のことで「春」とは違い、
摘んだり食べたりするものではなく
愛(め)でて楽しむものなんですよねぇ~・・・
言葉としては、春の七草ほど有名ではありませんが、
春の七草が七草粥になることでもわかるように
全て食用になるある種、実利的な植物を数えているのに対して
秋の七草は花としての価値で選ばれたもののようです。
秋の七草は、古人は食用、薬用に供したとされていますが、
その後はもっぱら観賞用として日本人に親しまれてきました。
夏の狂おしいばかりの暑さを連れ去るように秋風が吹き始めると、
野には繊細な草花が姿をみせるようになります。
いっせいに生命への賛歌を奏でる春の花々とは対照的に
秋の野の花は、命あるものの
『儚(はかな)さ』=『人+夢』を思わせます。
「もののあわれ」の美しさに満ちていて
ひときわ日本人の感性に合致するのだと思います。
ところで秋の七草は、
『万葉集』の「山上憶良の秋の野の花を詠む二首」
秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり)
かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
萩の花 尾花 葛花(くずばな) 瞿麦(なでしこ)の花
女郎花(おみなえし)また藤袴(ふじばかま)朝貌(あさがお)の花・・・から決定的となりました。
このうち最後の朝貌(あさがお)の花については
現在の朝顔説、木槿(むくげ)説、桔梗説、昼顔説の四つがありましたが、
今では桔梗であろうということになっているみたいです。
古くは桔梗はアサガオと呼ばれていたことが、その有力な根拠となりました。
この歌により、秋の七草は名草として日本人の感性に定着したわけなのですが
『山上憶良』がなぜこの七つを選んだのか、その理由は明らかにはなっていません。
人類学者の斎藤正二氏は著書「植物と日本文化」の中で、
七草の全部が中国原産であると推考した上で
『山上憶良』にとって七草は「秋の野の花」であると同時に、
当時の先進国である中国への憧れを集約する
「文化の花」でもあったという意見を述べています。
ワタシは案外そんなところが真相ではなかろうか・・・と思っています。
もうひとつ、萩などのように詩歌に頻繁に詠まれたことに加えて、
秋草が日本人に愛された要因には、意匠の題材として
盛んに取り上げられたこともあるようです。
例えば桃山美術を代表する一つ
「高台寺蒔絵」の調度品には、
秋草の形態が華やかに描かれているものが多いです。
さらに桃山期から江戸初期にかけて盛んに描かれた
武蔵野図屏風も
「秋草に銀の月」という構図が代表となっています。
尾形光琳をはじめとする琳派の諸作品、
また元禄期の豪華な着物の意匠などにも、
四季の草花の中でも特に秋草図に傑作が多いです。
これは秋の叙情性に加えて、秋草に共通する緩やかな曲線や微細な花々が
文様にふさわしいとされたからでしょう。
加えて、厳しい冬を迎える前の自然の織りなす情景を
ひときわ大切と考える日本人の感性が、
秋の七草を意匠として留めたいという思いに
繋がったのかもしれませんね。
・・・で、我が家の裏庭は、基本的には華道・茶道に繋がる花木で占められています。
桔梗(ききょう)は既に8~9月ごろまでで、既に花は終わっているのですが
その他は色々と華やいでいます。
藤袴(ふじばかま)は、京都でも保存を呼びかけていて珍しくなってきているようですが、
我が家では現在、藤色の蕾(つぼみ)を一杯つけている状態です。
『秋の七草』・・・って、侘寂(わびさび)があってとても良いものですよ!
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テーマ:日々の暮らし - ジャンル:ライフ
- 2022/10/16(日) 07:00:00|
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