わたせせいぞう 暦を巡る冒険 〜 京こよみ 〜 「紅白萩風」
こぼれる萩の花愛でる 常林寺『萩供養』 (京都の休日825) 草かんむりに秋という字のごとく初秋を代表する花が
『萩』です。
秋風に揺れ、秋雨に散る風情が古くから愛され、
月との愛称も良いことから、数々の歌や句に詠まれてきました。
中秋の名月に付き物と言えばこの
『萩』と
『月見団子』今回は
「萩の寺」常林寺(じょうりんじ)を紹介したいと思います。
左京区田中下柳町にある常林寺さん。
地下にある京阪「出町柳」駅を出てすぐにあります。
山門は川端通に面し、目の前は高野川と賀茂川の合流地点。ここから「鴨川」が始まります。
常林寺は古くから
「萩の寺」として知られ、境内一面が萩で埋め尽くされています。
「鬱蒼(うっそう)」と形容してもよいくらいに生い茂っていますが、
それだけに花の頃のこれからは格別です♪
境内一面が紫や白の花に彩られ、毎年9月の
敬老の日には
「萩供養」が催されています。
常林寺がある出町柳は「京都の町を出る」というのが地名の由来。
若狭(福井県)と京の都を結ぶ物流ルート・
若狭街道(さば街道)の起点で、
「京の七口」の一つ
「大原口」がこの付近にあたります。
境内の地蔵堂に安置されている世継子育(よつぎこそだて)地蔵尊は、
街道を行く人々の信仰を集めてきました。
また、交通の便が良かったからか、幕末には勝海舟が常林寺を宿坊にしていたといわれます。
今年は暑かったせいか開花が遅れていて
まだ桃色が、ちらほらと咲いてる程度ですね。
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『萩』はマメ科の植物で、秋の七草の一つとして古くから親しまれ、
万葉集では140首以上(草花の歌の中では最多)に歌われていて、
万葉集で山上憶良が挙げた秋の七草の筆頭は
『萩』です。
ちなみに2位、
梅(119首) 3位、
松(80首)です。
絵巻や襖絵、屏風、着物、蒔絵などあらゆる処に描かれ、
特に琳派といわれる、尾形光琳・酒井抱一・乾山などの作品には頻出します。
そう言えば花札にも
萩は出てきますね♪
猪(いのしし)の札です。
『萩』で代表的な首といえば
「我妹子(わぎもこ)に恋ひつつあらずは秋萩の
咲きて散りぬる花にあらましを」・・・・・は、自分の恋心に応えてくれない相手に、
恋などせず萩のようにただ咲いて散ってしまえば良かったという失恋の歌です。
「見まく欲(ほ)り恋ひつつ待ちし秋萩は
花のみ咲きてならずかもあらん」・・・・・は、姿を見たくて恋しい相手を萩に見立てて、
私の恋は花咲く(相手に会う)ことはできても実ることはないのでしょうか、
・・・という切ない恋心を歌っています。
蝶のように花開き、秋風にしだれる萩の花は、最も古くから日本人が想いを託してきた花です。
今秋、名も無き万葉人の恋を思いつつ眺めれば、またひと味違う風情が味わえることでしょう。
ちなみに和菓子に「おはぎ」がありますが、これはもともと秋の彼岸の頃に食べたから「お萩」。
そしてまったく同じ食べ物なのに、春の彼岸の頃に食べると「ぼたもち」。そう「牡丹もち」です。
同じ食べ物を、季節の花を使って呼び分けるという日本人の自然観。
忘れたくないものですね。
ちなみにワタシが
『萩』の題材で好きな句は、松尾芭蕉の
「一つ家に 遊女も 寝たり 萩 と 月」そのまま訳さないでね♪ (普段のワタシはエッチなんだけれども・・・藁)
ヒントは
能「江口」一つ家=仮の宿=浮世=人生(= 旅 = 奥の細道)
遊女 = 菩薩
「萩と月」は、つき物だけど一つになる事は無い。

ちなみに京都人でも、ほとんど知らないんだけれども、
常林寺住職のお嫁さんのお父様は
京繍伝統工芸士「長艸 敏明」氏です。
お母様も有名で、
刺繍作家・着物デザイナー・京繍伝統工芸士です。
・・・って言っても、これまた知っている人って稀(まれ)でしょうねぇ~・・・・・
「京繍伝統工芸士」というからには職人さんなんだけれども「京刺繍(日本刺繍)」の職人さんです。
・・・っと言っても、まだ「そうなんだぁ~・・・」程度の反応でしょうねぇ~・・・・・
「長艸 敏明」氏の作品で例えば、
エルメス・パリ本店のディスプレイを手掛けたり、
パリコレ(シェレルコレクション)の協力や、
能衣装の刺繍、等々・・・海外では超一級のアーティストです。
当時、エルメス・パリ本店のディスプレイを手掛けると
ワタシが直接、本人から聞いた時はビックリしたんだよねぇ~・・・・・
まさかそんなに凄い人だとは当時、思っていなかったんだよね
ワタシもまだ若かったしぃ~・・・・・
ちなみに当時、帯だったか、お着物か忘れましたが
「どれくらい?」・・・って無粋にも聞いたら
最低1000万円から・・・と言われて
これまたビックリした思い出があります。
まぁ~そんなこんなの昔話&裏話です。
京都には本当に 外観からは想像できない(失礼)意味不明な人が多すぎます。
お付き合いがあっても知らなかったくらいですから・・・・・
■■京都の萩の花の名所■■
◆「二尊院」右京区・嵯峨【九月上旬~中旬が見頃】竹垣が龍がうねるように萩の花道となる
◆「法然院」左京区・鹿ヶ谷【九月上旬~中旬が見頃】白萩の花が可憐に咲く
◆「平安神宮」左京区・岡崎【九月上旬~中旬が見頃】夏萩が早めに咲く
◆「常林寺」左京区・出町柳【九月中旬が見頃】「萩の寺」として有名
◆「光悦寺」北区・鷹峯【九月中旬が見頃】夏萩が一足先に咲く
◆「常照寺」北区・鷹峯【九月中旬が見頃】吉野太夫が偲ばれる
◆「天龍寺」右京区・嵯峨【九月中旬が見頃】百花苑に紅白の萩が可憐に咲く
◆「詩仙堂」左京区・一乗寺【九月中旬が見頃】回遊式の庭の白砂に美しい花姿が見られる
◆「真如堂」左京区・浄土寺【九月中旬が見頃】境内の萩は隠れた名所
◆「迎称寺」左京区・浄土寺【九月下旬が見頃】土塀に沿って見事な萩の花の列
◆「下鴨神社」左京区・下鴨【九月中旬が見頃】境内の「糺の森」は平安の面影がいっぱい
◆「南禅寺」左京区・南禅寺【九月中旬が見頃】法堂の前に咲き誇る
◆「梨木神社」上京区・寺町広小路【九月中旬が見頃】十七日~十九日「萩まつり」
◆「青蓮院」東山区・粟田口【九月中旬が見頃】西行ゆかりの萩の花
◆「霊山観音」東山区・高台寺【九月中旬が見頃】九月二十五日 「萩まつり」
◆「城南宮」伏見区・中島【九月中旬が見頃】秋の七草が十月上旬まで見られる
◆「三室戸寺」宇治・三室戸【九月中旬~末頃が見頃】境内に赤紫色のミヤギノハギや白いシラハギの萩が約千株植えられている
◆「上賀茂神社」北区・上賀茂【九月下旬が見頃】境内の「ならの小川」に沿って珍しいピンク色
◆「龍安寺」右京区・龍安寺【十月下旬が見頃】他の社寺よりも遅くまで見られるいつもご訪問ありがとうございます。
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テーマ:日々の暮らし - ジャンル:ライフ
- 2023/09/18(月) 10:00:00|
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