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投資暦ウン十年、リーマンショックもアベノミクスも今回のコロナの大底も明確に全てリアルタイムで当てました。株式トレードの他に音楽や趣味、有益・無益情報と人生の生き残り術。

『土用の丑』  【季節の言葉246】


歌川 広重 「素戔鳴尊(すさのおのみこと)の蒲焼屋」
『土用の丑』  【季節の言葉246】

 夏の土用の時期は暑さも厳しく夏バテの起こりやすい時期!
本日7月29日(火曜日)は『土用の丑』の日です。

この時期、昔から体に良い、精の付く食物を食べる習慣が有ります。
京都では、土用餅(あんころ餅)や、土用シジミなどが主流で、
勿論、栄養が豊富にある「鰻」も奈良時代からあります。

和暮らしのススメ~暮らしの歳時記を科学する~『土用の丑』










上記の画は、歌川広重が描く張交絵の「すさのおのみことの蒲焼屋」。
素戔鳴尊(すさのおのみこと)は出雲の国で、
櫛名田姫(くしなだひめ)を襲う八股の大蛇(やまたのおろち)を退治したという逸話があって、
素戔鳴尊(すさのおのみこと)がさばいているのは、うなぎ状の八股の大蛇!
アタマが龍みたいになってます。
うなぎの蒲焼に串はつきもの。 隣にちゃんと櫛名田姫がいますよね♪

・・・で、まぁ~お寿司屋さんの大将曰く、
「鰻の旬は夏じゃなくて冬。 夏の旬は穴子。」だそうですが・・・・・

痩(や)す痩すも
  生けらばあらむを 将(はた)やはた
    鰻(むなぎ)を漁(と)ると 河に流れな
                  - 大伴家持  巻16‐3854

石麻呂(いしまろ)に
  吾れもの申す 夏痩せに
    よしといふものぞ 鰻(むなぎ)とり食(め)せ
                     - 大伴家持 巻16‐3853


 万葉集の中に、大伴家持が吉田連老という人に贈った歌があります。
この老という人は、身体がひどく痩せていくら飲んでも食べても、飢えた人の様に少しも肥えなかった。
そこで家持は、

 老を痩(や)す痩(や)すも生けらばあらむを
   将(はた)やはた 鰻(むなぎ)を漁(と)ると河に流れな


・・・と言ってはやしています。一読すればわかるようにざれ歌です。

「痩(や)す痩やす生けらばあらむを」とは、いくら痩せていてもじっとしていれば生きていられるものを、
「将(はた)やはた」もっと元気になってやろうと思って、
「鰻(むなぎ)を漁(と)ると河に流れな」うなぎを取ろうと思って川に入り、水にながされるなよ、
・・・と忠告している歌なのです。
自分は痩せこけているからと、太りたい一心でうなぎを取ろうと思い、
川に入るのはいいが水に流されては元も子もないぞ、と冷やかしているのですが、
この歌から、うなぎを食べると太って健康になるという知識が当時からあった事が解ります。

大伴家持にはもう一つ、さっきの老に贈った歌があります。
老は字名を石麻呂といったが、この人は痩せているので世間的にも有名だったのではあるまいか。

 石麻呂(いしまろ)に 吾れもの申す 夏痩せに
   よしといふものぞ 鰻(むなぎ)とり食(め)せ


・・・と歌い、先の歌とは逆に、うなぎを取って食べろと勧めています。
痩せこけた石麻呂をよほど見かねたのだろう。からかい半分に、あなたはかわいそうなくらい痩せている。
夏場になったら暑気にあたって一層痩せてしまうぞ、うなぎは夏痩せにいいと聞いているが、
うなぎを取って食べたらどうだろうと親切に(?)に教えています。
これもざれ歌ですが、万葉時代にも鰻が強壮剤としてもてはやされ夏痩せに効果のある栄養食品として
認められていたのは興味深いです。
そして健康は食べ物によって支えられているという発想があったことは注目に値します。

うなぎの蒲焼は、いまでも夏負けを防ぎ、精をつけるためにと土用の丑の日に食べる習慣がありますが、
うなぎの食用はかなり古くからあり、文献では大伴家持によって初めて紹介されています。

 うなぎの蒲焼を土用の丑の日と関係づけて食べるようになったのは、
江戸時代の平賀源内であるとする説がありますが、源内はいまから200年ほど前の人です。

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣ができたはそんなに新しくはない。
遅くとも平安時代から記録がありました。
うなぎだけでなく、この日は、色の黒いものを食べるとよいとされていました。
黒いものなら、うなぎでなくても、ごぼうでも鯰でも、魚でも何でもよかったのです。

この習慣がずっと続き、江戸時代の初期、源内の生まれる100年程前から土用の丑の日には、
京都でもうなぎやハモを食していたのです。

京都では、土用の丑の日にうなぎを食べるだけでなく、
下鴨神社へ行って、足を川の水に浸す習慣があります。
これは病気よけのための習慣ですが非常に合理的な健康法です。
夏暑いとどうしても鬱血する。この鬱血は足を冷やすことによって解消するから、
なかなか科学的な方法といえます。

別に、賀茂までいかなくとも、家でバケツに水をくみ足を入れても同じです。
ざれ歌などに、夏痩せにうなぎを食べろと詠まれるほど、
この時代には、食べ物の薬効が常識てして広がり、栄養食品を摂る機会も増え、
保健知識がたかまったといってよいでしょう。


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